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熊本県で空き家の解体に使える補助金を、熊本市・玉名市・山鹿市・菊池市・荒尾市の公式ページで確かめてまとめました。金額・条件・受付期間、工事の前に申請する順番、令和8年熊本地震の公費解体との違い、相談窓口も解説します。
この記事の目次
熊本県で空き家の解体に使える補助金は、県ではなく市町村が出しています。2026年度は熊本市(上限40万円・60万円の2制度)、玉名市・山鹿市・荒尾市(上限60万円)、菊池市(上限50万円)が、古くなった空き家の解体費の一部を補助しています。どの市も、工事の契約・着工より前に申請することが条件です。
この記事の要点
- 熊本県の空き家は約12.7万戸、空き家率は14.9%(総務省 令和5年住宅・土地統計調査)。全国の13.8%より高い
- 解体の補助は市町村ごと。2026年度は上限40万〜60万円が中心で、熊本市は年末まで受付、菊池市・荒尾市は受付を終えている
- どの市も「事前調査・相談 → 交付決定 → 契約・着工」の順。先に工事を始めると補助は受けられない
- 令和8年熊本地震で半壊以上と判定された家は、空き家の補助より先に「公費解体」の対象かを市町村に確かめる
熊本県の空き家は約12.7万戸、空き家率14.9%
熊本県の空き家は約12万7千戸で、住宅全体に占める割合(空き家率)は14.9%です。総務省の令和5年(2023年)住宅・土地統計調査(確報)によると、熊本県の総住宅数は約85万1千戸で、全国の空き家率13.8%を1.1ポイント上回っています。

空き家12万7千戸には、入居者を募集中の賃貸住宅の空室や、売りに出している家、別荘も含まれます。これらを除いた「使い道が決まっていない空き家」は約6万5千戸で、住宅全体の7.6%です。全国の5.9%より高く、住む人も借りる人もいないまま置かれている家が、全国より多いことが分かります。相続した実家を誰も使わないまま置いている場合も、この「使い道が決まっていない空き家」に入ります。
県の公表資料には空き家率15.0%と書かれたものもあります。これは2024年4月の速報値で、同年9月の確報で14.9%になりました。
2026年度に解体費を補助している熊本県の主な市
2026年度の内容を各市の公式ページで確かめられたのは、次の5市です。金額・期間は2026年10月時点のもので、どの市も予算に達した時点で受付を終えます。

| 市 | 2026年度の内容(金額・条件・期間) |
|---|---|
| 熊本市 老朽空き家除却促進事業 |
解体費(税抜)×8/10×2/3 と、延床面積×単価(木造3万6千円・非木造5万1千円)×8/10×2/3 の少ない方、上限40万円 昭和56年5月31日以前に着工した空き家(約75件)と、それ以降の相続・遺贈で取得した空き家(約5件)。1年以上使われていないこと 受付は2026年4月13日〜12月28日、2027年2月28日までに工事を終える見込みのもの |
| 熊本市 老朽危険空家等除却促進事業 |
計算は上と同じ、上限60万円。13戸程度 1年以上使われておらず、外観の危険度判定で66点以上の空き家。個人の所有者が対象 事前調査の申請は2026年12月28日まで、交付申請は2027年1月29日まで |
| 玉名市 老朽危険空家等除却促進事業 |
解体費×8/10×2/3(国の標準除却費が限度)、上限60万円 1年以上住まいとして使われていない住宅で、事前調査の不良度判定が100点以上。所有者・相続人(法人は対象外) 事前調査は随時受付・先着順。予算は5月ごろに決まり、交付申請の案内がある |
| 山鹿市 特定空家等除却促進事業 |
対象経費の2分の1以内、上限60万円(対象経費は解体費の8/10か、標準除却費×延べ面積×8/10の少ない方) 倒壊や外装材の落下で近所や道路に影響するおそれがあり、空き家になって1年以上 受付は2026年5月1日〜11月30日。事前調査が必要。オンライン申込もできる |
| 菊池市 空家等撤去補助金 |
対象経費の2分の1以内、上限50万円 特定空家等や、不良度100点以上で景観に支障のある木造の建物など 事前調査の申込は2026年5月7日〜5月29日で、今年度の受付は終わっている |
| 荒尾市 老朽危険空家等除却促進事業 |
対象経費(税抜)の2分の1、上限60万円。約6件 1年以上使われていない住宅・併用住宅で、不良住宅の判定が100点以上。荒尾市内の業者が工事すること 受付は2026年6月1日〜6月19日、7月8日に抽選済みで今年度の受付は終わっている |
上限だけを見ると40万〜60万円で大きな差はありませんが、受付の時期と方法は市によってかなり違います。熊本市・山鹿市は秋以降も受け付けていますが、菊池市と荒尾市は春に短い期間で募集し、すでに締め切っています。今年度に間に合わなかった市の家は、来年度の募集に向けて春までに相談しておくと動きやすくなります。
予算に達し次第終了の場合があります。表は2026年10月時点で各市の公式ページに載っていた内容です。申請前に公式ページか担当課で、その年度の受付状況を必ず確かめてください。
八代市・天草市・宇城市などほかの市町村は、この記事では2026年度の内容を公式ページで確かめられなかったため載せていません。家のある市町村の役場に「老朽危険空き家の解体補助はありますか」と聞くのが早道です。
熊本市の2つの制度はどう選ぶ?
熊本市の2つの制度は、建物の傷み具合で分かれます。外から見て危険と判定される(66点以上)家は上限60万円の「老朽危険空家等」、そこまで傷んでいない古い家や相続した家は上限40万円の「老朽空き家」です。どちらに当たるかは自分では決めにくいので、熊本市空家対策課(096-328-2514)に写真を見せて相談すると早く分かります。
令和8年熊本地震で傷んだ家は「公費解体」を先に確かめる
令和8年熊本地震で被災した家は、空き家の解体補助ではなく、市町村が費用を負担して解体する「公費解体」の対象になる場合があります。公費解体は、被災した人の生活再建と二次災害の防止のため、市町村が持ち主に代わって家を災害廃棄物として解体・撤去する制度です。

り災証明で半壊以上などと判定された家が対象。市町村の廃棄物・環境の担当課が窓口。
この記事の表の制度。市町村の住宅・建築の担当課が窓口。他の補助と重ねられないことが多い。
たとえば玉名市では、り災証明書で「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」と判定された家屋で、2026年7月28日時点の所有者が対象です。受付は2026年12月28日までで、すでに自分で解体した人に費用の一部を払う「自費解体」の制度もあります(玉名市 公費解体のページ)。熊本市では廃棄物計画課の公費解体プロジェクトチーム(096-328-2430)が担当し、被災家屋の解体費の標準単価を公表しています(熊本市)。
熊本市の老朽空き家の補助は、ほかの国・自治体の補助金を受けていないことが条件です。地震で傷んだ空き家なら、まず公費解体の対象になるかを確かめ、対象外のときに空き家の補助を考える順番にすると、受付期間を逃しにくくなります。県の「令和8年熊本地震に関する情報」に、住まいの支援制度がまとまっています。
補助を受けるまでの順番(どの市も工事の前に申請)
熊本県内の市の解体補助は、どこも「申請して交付決定を受けてから、業者と契約して工事を始める」順番です。細かい書類は市で違いますが、流れはおおむね次のとおりです。

- 事前調査・相談市の担当課に空き家の場所と写真を伝え、事前調査を申し込む。熊本市(危険空家)・玉名市・山鹿市・菊池市・荒尾市は事前調査が必要。
- 市の判定市の職員が外から建物の傷み具合を調べ、補助の対象かを判定する。
- 見積もりと交付申請解体業者から見積もりを取り、補助金の交付申請を出す。
- 交付決定市から交付決定の通知が届く。ここまで契約・着工はしない。
- 契約・解体工事業者と契約して工事をする。敷地の建物をすべて解体して更地にすることが条件の市が多い。
- 完了報告と請求工事が終わったら写真・領収書をつけて報告し、市の確認後に補助金を受け取る。
いちばん多い失敗は、補助を知る前に業者と契約してしまうことです。熊本市は「除却工事を開始した後では申請できません」と明記しており、荒尾市・菊池市も着工前の申請を求めています。荒尾市のように市内の業者が工事することを条件にする市もあるので、見積もりを頼む前に条件を確かめておくと二度手間になりません。
熊本県と市の相談窓口・空き家バンク
解体するか、売るか、貸すかで迷っている段階なら、市の空き家の担当課か、県の住宅相談の窓口に相談できます。熊本市には空き家を買って直す人向けのリフォーム補助もあり、解体だけが答えではありません。

| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 熊本市 空家対策課 | 096-328-2514(平日9時〜17時)。解体補助のほか、空き家のリフォーム補助(購入後の改修など)も担当 |
| 熊本県 住宅相談窓口一覧 | 住宅の相談全般は 熊本県建築住宅センター 096-385-0771。不動産の相談は熊本県宅地建物取引業協会 096-213-1355 |
| 熊本県空家利活用マネージャー | 空き家の活用の相談に応じる人の登録制度。登録者の一覧を県が公開 |
| 熊本県解体工事業協会 | 096-237-6944(平日9時〜16時)。熊本市の解体補助のページに問い合わせ先として載っている |
| 空き家バンク | 玉名市・山鹿市・菊池市・合志市などが、売りたい・貸したい空き家を登録して紹介 |
解体の前後の手続きと固定資産税(全国共通)
解体の手続きは全国共通で、主に3つです。床面積80㎡以上の解体は、工事の7日前までに建設リサイクル法の届出が要ります(環境省)。解体の前には資格のある人がアスベストの有無を調べ、解体部分が80㎡以上なら結果を報告します(厚生労働省 石綿総合情報ポータル)。建物がなくなった日から1か月以内に、法務局へ建物滅失登記を申請します(不動産登記法第57条)。

税金では、更地にすると土地の固定資産税が上がることがあります。住宅が建つ土地は、200㎡以下の部分の課税標準が6分の1になる特例があり(総務省)、解体するとこの特例が外れるためです。一方、放置して市から「管理不全空家」として勧告を受けると、建物が残っていても特例は外れます(熊本県)。
解体費用が変わる要素と、見積書で確かめること
熊本県の解体費の相場を公的な機関がまとめた資料はないため、この記事では金額の目安は載せません。同じ広さの家でも、費用は次の条件で変わります。

- 建物の構造: 木造より鉄骨造・鉄筋コンクリート造の方が手間がかかる。熊本市の補助も、計算に使う単価を木造3万6千円・非木造5万1千円と分けている
- 延べ床面積: 広いほど廃材が増える
- 道路の幅: 重機やトラックが入れない狭い道沿いの家は、手作業が増える
- アスベスト: 含む建材が見つかると、除去と処分の費用が加わる
- 家の中に残った家財(残置物): 補助の対象外にしている市が多い。先に片付けるか、見積もりで分けてもらう
- ブロック塀・庭木・浄化槽: 建物以外の撤去が入るかどうか
見積書を受け取ったら、次の点を確かめると、補助の申請でも業者を比べるときにも役に立ちます。
- 「建物の解体」「家財の処分」「塀・庭木」「アスベスト調査」が別々の行に書かれているか(補助の対象かどうかが分かれる)
- 延べ床面積と構造が、登記や固定資産税の書類と合っているか
- 解体工事業の登録か建設業の許可があるか。市内業者が条件の市(荒尾市など)では所在地も
- 建設リサイクル法の届出・アスベスト調査・滅失登記を、誰がどこまでやるか
- 地中から廃材が出たときなど、追加費用の扱いが書かれているか
見積もりは2〜3社から取ると、金額の違いとその理由が見えてきます。このサイトからも、熊本県で提携している解体業者(最大3社)にまとめて見積もりを頼めます。提携先からは紹介料を受け取っています。補助を使う場合、見積もりは市の判定の前でも取れますが、契約は交付決定の後にしてください。
よくある質問
熊本県の空き家の解体補助金はいくらまで出ますか?
熊本県の空き家の解体補助金は市町村ごとに違い、2026年度は上限40万〜60万円が中心です。熊本市は上限40万円(老朽空き家)と60万円(老朽危険空家)、玉名市・山鹿市・荒尾市は上限60万円、菊池市は上限50万円です(2026年10月時点)。
解体工事を始めてから補助を申請できますか?
熊本県内の市の解体補助は、工事を始めてからでは申請できません。熊本市は除却工事の開始後は申請できないと明記しており、ほかの市も事前調査と交付決定の後に契約・着工する順番を求めています。
熊本市以外に住んでいても、熊本市の空き家の補助は使えますか?
補助は家のある市町村の制度を使うので、持ち主が県外や別の市に住んでいても、空き家が熊本市にあれば熊本市の制度に申し込めます。相続した人も対象で、熊本市の老朽空き家の制度は相続・遺贈で取得した比較的新しい空き家の枠(約5件)も設けています。
地震で半壊した空き家も、空き家の解体補助の対象ですか?
令和8年熊本地震で半壊以上と判定された家は、まず市町村の公費解体の対象になるかを確かめてください。玉名市では全壊から半壊までの家屋が公費解体の対象で、受付は2026年12月28日までです。熊本市の老朽空き家の補助はほかの補助金と重ねられないため、窓口で順番を相談すると確実です。
金額・条件・受付状況は、毎週、各自治体の公式ページで確かめて更新しています。補助金は予算に達すると早めに締め切られることがあります。申請の前に、必ず各自治体の公式ページでご確認ください。
